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ブラック・スワン [TV・ドラマ・映画・演劇]



やっと映画館で見る事ができました。前評判通り期待を裏切らない作品でした。
相当ネタバレするので続きは以下に。

とあるバレエ団で踊るニナは努力の末、新振り付けの「白鳥の湖」のプリマに抜擢される。

バレリーナとしてのストイックな姿、表現者でありながら臆病な性格。
原因は自身もバレリーナだったが28歳でニナを出産し、バレエの道を諦めた母親の存在。
母は娘の成功を賞賛するものの、娘の自立は許さない。
バレリーナとしての自分を超えることも許さない。
自分の今の不遇は娘を産みバレエの道を諦めたからだと泣き続け、過去の栄光に縋って生きている。

このおかしな母親と暮らしているため、ニナは自分の感情を表現することができなくなっていた。年齢の割に部屋のインテリアも子供っぽい。母親の中の子供のイメージに縛られている。

そこにきた黒鳥の課題。自分の欲求に忠実で官能的な存在。
白鳥は元々ニナのイメージにも合い、技術的にも完璧に踊れるが…。
見た目は似ているが自分とは対照的な性格のリリーや元プリマであるベスの存在もあり、黒鳥の踊りに自信が持てないニナは精神的に自分を追いつめて行く。
次第に現れはじめるもう一人の自分。
舞台の初日を迎えたニナはどうなるのか…。

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ジャンルとしては「サイコホラー」で結構怖いのですが、自分的には映像の美しさに惹かれました。

色の使い方もとても魅力的で…私の勘違いかもしれないのですが、物語の序盤は割と淡い色、地味な色のシーンが続くのですが、ニナの血の色をきっかけに、どんどんドギツイ色が使われるようになっていくのが凄いなぁ…と。
次第に現れてくる人間の生々しさ(たぶんニナが避けていたもの)のようだなと感じました。

あとニナが歩く後ろを延々と追いかけるカメラワークとか。少しひいて人物全体を撮るというシーンがあまり無かった気がします。上半身アップか、レッスン場全体が画面に入るまでひいている映像が多かったような。

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今敏監督の「パーフェクトブルー」を下敷きにしていると聞いたのですが、Wikipediaを読んでみるとそれは否定されているようですね。

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でも物語の根幹は同じだと思うんですよ。
「少女のイメージから抜け出せない女性の葛藤」。
パーフェクトブルーで主人公の成長を阻害していたのはマネージャーだし、ブラック・スワンでは母親です。ブラック・スワンをパーフェクトブルーに重ねるなら、あの時楽屋に居たのはチュチュを着た母親、ということになるんでは?
(パーフェクトブルー未見の方はごめんなさい。面白いのでオススメですよ)

ブラック・スワンでは主人公一人の精神的なものとして描かれていますが、パーフェクトブルーではマネージャーの妄想が現実に入り込んできます。母親の呪縛がニナの精神に深く刻み込まれていたとするなら、それはやはりニナ一人の精神ではなく、母親の妄想も取り込んでいると言えなくもないかなとか(汗)

と、いうことで私の中ではパーフェクトブルーが下敷きだということにしておきます(笑)

あとあれです、女優ナタリー・ポートマンと物語が重なる部分もあってグッときました。
初めて母親に反抗し「もう12歳じゃないんだから!」と叫ぶシーンは、いつまでも「レオン」の印象に縛られたくないという叫びにも聞こえました。
(今、確認してみたら、ナタリー・ポートマンがレオンに出演したのは13歳のときなんですね。あと、今のエージェントを母親がやっているという事実を知り、少しゾッとしました・笑)

ブラック・スワンの成功で、ナタリー・ポートマンは女優として脱皮できたんじゃないかと思います。今後の出演作が楽しみです。
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